私が最初に挑んだ税法科目は消費税法である。
理論マスターの分量は手に負えないほど多いというわけではなく、最初は暗記に苦戦したが慣れてくると全部覚えられそうな気がしてきた。
しかし結局すべて暗記することはなかった。
重要度が相当低そうな箇所は横着してとばしてしまったからだ。
それは何かというと・・
「法人課税信託の受託者に関する消費税法の適用」
である。
現在、自宅でTACの法人税法の教材による学習を細々と続けているが、理論マスターをパラパラめくっていくと、最初の方に法人課税信託の欄があった。
まさか再びこの単語にお目にかかろうとは思いもよらなかった。
今回は法人課税信託の解明をしてやろうと思う。
まずは信託とは何ぞやってとこだ。
仮に私が大富豪で最近若い女の子と遅い結婚をしたとする。
やがて子供が誕生した。
できればこの子が成人してから自分の財産を譲りたいと思うが、いかんせん寿命がもちそうにない。
そこで信頼のできる弁護士に、自分の財産を譲渡し運用を依頼した。
子供が成人するまで運用益を妻と子に与え、子が成人したら財産そのものを与えるという内容である。
私は弁護士に自分の財産を信託したのである。
ここで、私は委託者、弁護士は受託者、妻と子は受益者ということになる。
さて法人課税信託である。
この制度は平成19年度の信託税制の改正で導入された。
これは簡単に言うと受託者を納税義務者として法人税を課税する制度である。
委託者がどんなカタチで信託すれば法人課税信託に該当するのか。次の3つのパターンが挙げられる。
⒈ 受益証券発行信託
どんな財産(金や不動産など)でも信託して受益証券という有価証券にすることにより流動性を高めたたものである。(取引しやすくした)このうち定期的に受益者に利益の分配をしないものが該当する。
運用益は受託者段階でとどまっているため受託者課税となる。
⒉ 受益者等が存在しない信託
これは相続で委託者の相続人が財産はいらないと言ってきた場合に受益者がいなくなる場合である。(委託者は死亡)
運用益はやはり受託者課税となる。
⒊ 法人が委託者である信託
これは信託を使った税金逃れ対策である。会社がその事業の重要な部分そのものを信託し受益者を株主とすることで、この事業から得られる所得に対する法人税課税を回避できるのだ。
例えば事業を自分自身に信託してしまえば、その事業に対して法人税がかからなくなてしまう。
なので信託そのものに課税するのである。
法人課税信託の受託者は実は個人でも法人でも法人税が課税される。
法人課税信託に該当する信託を受ければ、私個人でも法人税を納付するチャンスがあるのだ。
法人税法的に重要なのは、受託者が自分の仕事で得た所得・固有資産等から得た所得と信託資産から得られた所得とを区分して申告納付しないといけないということである。
同一受託者での所得であっても、別々の者に帰属するとみなすのである。
これは消費税の申告納付も同様で区分しないといけない。
〇〇信託銀行という名称を時々耳にする。
どんな仕事してるか分かりにくかったが、少し理解できてきた気がするね♪