「ガラスの仮面」という未完の少女マンガがある。
その存在は中学生の頃から知っていたが、本格的にのめり込むようになったのは、2000年代後半のアニメからである。
DVDをレンタルして全51話を視聴した。当時は税理士試験勉強を開始した頃で、勉強の合間の息抜きにと観るようになったのである。
これがめちゃくちゃ面白くて、感情移入でき、ドハマリしてしまった。
アニメの最終回は、北島マヤが「あしながおじさん」紫のバラの人と結ばれる、感動のフィナーレを想像していた。
ところが変に中途半端な最終回となってて、非常に消化不良な気分だったのをよく覚えている。
不思議に思い調べてみると、なんと原作マンガはまだ完結していなかったのである・・・!(2020年5月現在未だ未完である)
続きを知りたくて、いい年したおじさんの私が、ガラスの仮面のためだけに「別冊花とゆめ」を購読するようになってしまった!
購読を始めて遅々として連載が進まない状況にフラストレーションがたまり、作者はあまりに印税収入が膨大なため、必死に働かなくても生活できてしまうので、やる気が無いんじゃないかと邪推してしまった。
私の官報合格が先か、ガラカメ完結が先か、と勉強のモチベーションにしてたが、普通に官報合格が先になってしまった。(どういうことだ!?)
さて、税理士試験に打ち込んだ者なら、税と名のつくものには敏感になるもんだ。
というわけで、今回は印税について研究である。
印税とはいっても税金ではない。
印税とは、出版社などの著作物(本、マンガetc)を複製して販売をする際に、発行部数や販売部数に応じて著作権者に支払う著作権使用料の通称である。
もともとは著作権使用料と引き換えた著者検印紙を書籍に貼り付けて販売していたのが、それが印紙税に似てたので印税と呼ばれるようになったらしい。
見た目が印紙に似ていただけで税金ではない、ということなどである。
雑誌などにマンガが掲載された際に、著者に支払われるのは原稿料である。労働への対価ということで1回限りの支払いである。(例外あり)
なお原稿料が支払われる際に、その支払額に対して所得税が源泉徴収される。1回の支払額が100万円以下の場合は約10%、100万円超の場合はその超える部分については約20%が差し引かれしまうのだ。
そのマンガに人気が出て単行本を出そうというときに、販売会社である出版社が版権を持ち、マンガ作者は著作権を持つのである。
単行本の版権を持つ出版社が、販売して得た収入の一部を著作権使用料として、作者に支払うお金が印税というわけだ。
印税の率は販売単価(消費税込み)の5~10%の範囲内だが、その計算方法は2種類ある。
発行部数に応じて印税が発生する場合と、実際に販売できた部数に応じて印税が発生する場合である。
発行部数に応じた印税の方が、ぱっと見で有利そうな印象だ。
作者がプロの専業マンガ家なら印税収入は事業所得、普段はサラリーマンやってて趣味でマンガを描いて得た印税収入なら雑所得となる。
最近は副業を持とうという話がYouTubeその他の媒体でよく語られる。
マンガでも文章でも趣味で作って印税収入が手に入れば素晴らしいことだと思う。
ただ、過ぎたるは猶及ばざるが如しという格言がある。
印税収入が過ぎて自堕落な生活に陥ってしまったら、それは真の意味で生きているといえるだろうか?
サッカー監督のモウリーニョ氏は豪語する。
プレッシャーの無い人生なんて面白くない!と。
ちっとも進展の無いガラスの仮面はもはや反面教師でしかない。
私が印税で生活できるような本が書けたとしても、決してお客様である読者の期待は裏切るまい。