今から30年近く前、私はスクーバダイビングをやっていた。
8月の中旬に、ドゥ・スポーツプラザのダイビングスクールの主催する、2泊3日で三宅島にスクーバダイビングしに行ったことがある。
竹芝桟橋に夜に集合し、そこから出航するフェリーで一泊し、早朝に三宅島に着き、その日に2本、翌日にも2本潜って、またフェリーで東京に戻るスケジュールだった。
サカナはカンパチとタイを見たことが印象に残ってて、他に三宅島名物の明日葉(あしたば)のアイスクリームを食べたことも記憶に残ったものだ。
ところで、竹芝桟橋とは、東京港の旅客ターミナルの一つである。
港に関する税金というと関税が思い出されるが、他にとん税というものが存在する。
とん税というと、一瞬、ブタに関する税金かと勘違いしそうだが、とん税の「とん」は船のトン数(重さ)の「とん」を示している。
今回はとん税について観てみよう。
とん税及び特別とん税の概要
外国船が日本の港に入港するときに、税金を納めないといけない場合がある。
外国貿易に従事する船舶が日本の港に寄港したとき、水の供給や港湾施設の利用に対する手数料のような趣旨で課税するもの、これをとん税という。
とん税の一部は、特別とん税として港の所在する市町村に分配される。
とん税=とん税+特別とん税、の関係なのである。
開港とトン数
税関長が定める港を開港という。
貨物の輸出入ならびに外国の貿易船の入港または出港が政令によって許されている港のことであり、空港の場合は税関空港という。
開港の一覧は、関税法施行令の別表に記載されている。
とん税は、外国船が日本の「開港」に入港するときの税金なのである。
そして、その時の外国船のトン数に基づいて課税をするわけだ。
船のトン数を課税標準として課税していくわけだが、ここでトン数とは、船の純トン数を示す。
この純トン数は、税関の基本通達によると、国際トン数証明書等(国際トン数確認書、船舶国籍証書、仮国籍証書、領事または船舶協会が発給した証明書等)に記載されている数値である。
ちなみに、よく耳にする税関とは、全国の港や空港にあり、日本国内に持ち込んではいけないものや、持ち込む際に税金を払わないといけない品物をチェックする場所である。
外国に輸出する品物や外国から輸入される品物について、書類をチェックしたり、実際に品物を検査したりするのである。
とん税の計算方法
とん税は、船の純トン数に対して税率をかけて計算する。
支払い方法 | 税金 |
都度払い | 36円(とん税16円+特別とん税20円) |
一年払い | 108円(とん税48円+特別とん税60円) |
都度払いとは、入港の度に支払う税金。一年払い(都度払い3回分)とは、一年分をまとめて支払うことだ。
船のトン数が10,000トンで都度払いなら、36✖️10,000=360,000円となる。
とん税の免除
日本に入港する外国船は、とん税を支払わないといけない。
ただし、やむを得ない理由があるときは、とん税の納付は免除される。
①暴風雨、濃霧などの災害が予想されるとき、これを回避するためのみの目的で一時入港したとき。
②暴風や濃霧などの災害を回避するため航路を迂回した場合など、予期し得ない事情により船用品が欠乏し、それを補給するためのみの目的で一時入港したとき。
③積荷の荷崩れを直すために一時入港したとき。
④いかだの結索具などを締め直すためのみの目的で一時入港したとき。
⑤航行中に発生した急病患者、航行中に救助した遭難者、航行中船内において発見された密航者などを下船させるためのみの目的で一時入港したとき。
日本の港湾
港湾とは、船舶が安全に停泊し人の乗降や荷役が行える海域と陸地を指す。
日本には、約900の港湾があるが、港湾の種別は5つある。
・国際戦略港湾
港のランクとして最上位に位置している。
日本の港湾の国際競争力の強化のために、以下の5港が指定されている。
京浜(東京港・横浜港・川崎港)
阪神(大阪港・神戸港)
・国際拠点港湾
国際拠点港湾は、重要港湾のうち国際海上輸送網の拠点として特に重要として政令により定められたもの。
全国に18港が指定されている。
北海道・・苫小牧港、室蘭港
東北・・仙台塩釜港
関東・・千葉港
北陸・・新潟港、伏木富山港
東海・・清水港、名古屋港、四日市港
関西・・堺泉北港、和歌山下津港、姫路港
中国・・水島港、広島港、徳山下松港、下関港
九州・・北九州港、博多港
・重要港湾
海上輸送網の拠点と位置づけられている港湾。
後背地に工業地帯を有しているものが多い。
全国に約100港指定されている。
・地方港湾
重要港湾以外の港湾が該当する。
全国に約800港ある。
・56条港湾
港湾区域が設定されておらず、都道府県知事が水域を公告した港湾。
地方港湾のなかでも特に小規模なものや、今後開発が見込まれるものが該当する。
後記
私は社会人になってから、ずっと東京都中央区で暮らしているが、花粉症になったのも社会人になってからだ。
以来、毎年これには悩まされている。
予防のため、2月の中旬には耳鼻科に行くことにしている。
今年ももうそろそろである。