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酒税

私はお酒はビールとウイスキーくらいしか飲まない。

それもたしなむ程度だ。

そして愛飲しているのはサントリーである。

ところで、私は豊洲市場の水産荷受会社で仕事している。部署が魚種で分かれていて(マグロ部とか鮮魚部とか)、その中の特種部というウニや貝、カニ等を扱うとこに所属している。

貝の中に、トリガイという貝がある。

このトリガイにも旬というものがある。

トリガイの旬は3月だ。

トリガイの旬は3月、略して”サントリー”というと、妙にインパクトのある覚え方ではないだろうか。

話がそれたが、このビール等のお酒にも税金がかかっている。

今回は、お酒にかかる税金、酒税について観てみよう。

                        

酒税の概要

酒税は間接税の一つとして、たばことともに古くから国家財政の有力な財源として重要視されてきた。

酒税は、酒類に対して課される。

酒類とは、アルコール分1度以上の飲料を指す。

酒税の税率は、酒類の各種類、各品目などに分けて定められ、酒類の数量に対し、1㎘当たりいくらという従量税による。

従量税とは、重量や個数、面積、容積等を課税標準として税率を決定する租税徴収方式である。

ちなみに、価格の大小に応じて課税される額が変化する税を従価税という。消費税は従価税だ。

                      

酒税を納めるのは、原則として酒類の製造者である。

酒類を製造場から移出するとき、又は保税地域から引き取るとき(輸入の場合)は、その酒類が消費の段階に入ったものとして、酒税が課せられる。

まさに、お酒=税金なのである。

なお、国家の歳入におけ酒税の金額はかなり大きく1兆円を超えている!

酒飲みが国家財政に貢献している!?

                    

酒税免許制度

酒税制度の特徴として、免許制度が挙げられる。

免許制度は、製造免許販売免許の二つに区分される。

                       

酒類製造免許

酒類製造免許は、酒税法により定められているお酒の製造ができる免許である。

製造免許は、製造しようとする酒類の品目別(日本酒、ビール等)及び製造場ごとに所轄税務署長の免許を受けないといけない

酒税法において、お酒の種類別に1年当たりの最低製造見込数量(法定製造数量)が決められている。免許取得後1年間に製造しようとする見込数量がこれに達しない場合は、免許を受けることはできない。

また、実際の製造数量がこれを3年間下回ると、免許取り消しとなってしまう。

これは、酒税は製造場からの移出時数量で税額が決定するわけだから、ある水準以下の税収しか見込めない業者の営業は認めないということなのだろう。

                         

酒類ごとの最低製造見込数量を以下に示す。

清酒 日本酒の一種。米と米麴と水を主な原料とし、それを発酵させてこして製造される。

60キロリットル

合成清酒 清酒と同様の製法で作られた原酒に糖類、アミノ酸などを加えて香味や色沢を清酒のようにしたもの。戦前に米が高価だったころ、米をあまり使わないで清酒のようなお酒を造りたいということで誕生した。

60キロリットル

連続式蒸留焼酎(甲類) 連続式蒸留器で蒸留を行う。高純度のアルコールが特徴。あっさりしている。アルコール度数36%未満。

60キロリットル

単式蒸留焼酎(乙類) 蒸留の仕組みがシンプルでアルコール以外の香味成分も抽出されるのが特徴。素材本来の風味が感じられる。アルコール度数45%以下。

10キロリットル

蒸留とは、液体を熱することで蒸気となった気体を、冷やして再び液体にすることである。沸点の違いにより混合物を分離できる。

みりん もち米などを糖化熟成させて製造。アルコール分約14%。

10キロリットル

ビール 主に大麦を発芽させた麦芽を、ビール酵母によりアルコール発酵させてつくられたもの。酒税法上は、麦芽比率50%以上で副原料は重量合計が使用麦芽重量の5%以内、そして使える副原料も決められている。

60キロリットル

発泡酒 ビール風味の発砲アルコール飲料。麦芽を使用すれば副原料の制限がない。麦芽比率50%未満のもの又は麦芽比率50%以上でビールに使える原料以外の原料を使用したもの又は麦芽比率50%以上で規定量を超えて副原料を使用したもの。

6キロリットル

果実酒 果実を原料として発酵させたもの。ワインなど。

6キロリットル

甘味果実酒 果実酒の発酵過程の途中でブランデーなどの蒸留酒を添加し、糖分を比較的多く残して甘味を持つよう製造された混成酒である。

6キロリットル

ウイスキー 蒸留酒で、大麦、ライ麦、トウモロコシ等の穀物を麦芽の酵素で糖化し、これをアルコール発酵させ蒸留したもの。

6キロリットル

ブランデー 果実酒からつくった蒸留酒の総称。

6キロリットル

原料用アルコール 焼酎甲類・各種リキュールなどの原料となり、これを36度以上45度以下に加水したものは醸造用アルコールとして、清酒・合成清酒などの原料となる。

6キロリットル

その他の醸造酒 醸造酒とは、原料を酵母によりアルコール発酵させて作られた酒である。蒸留などの作業を経ないで、アルコール発酵させたままの状態で飲まれる。

6キロリットル

スピリッツ 焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール以外の蒸留酒で、エキス分(蒸留せずに残留する成分)が2%未満のものの総称。

ウオッカ、ジン、ラム、テキーラなどが該当する。

6キロリットル

リキュール 蒸留酒をベースに、果物やハーブなどで風味をつけ、甘味料や着色料などを添加した混成酒。

6キロリットル

粉末酒 水分を除去した粉末状の酒。水に溶解することでアルコール飲料となる。

6キロリットル

雑酒 上記以外の酒。所得税における雑所得みたいなものかな。

6キロリットル

                          

なお、酒は製法により3つに分類される。

醸造酒 穀物や果物を酵母によりアルコール発酵させたもの。日本酒・ビール・ワインなどが該当する。

蒸留酒 醸造酒を蒸留という工程を経てアルコール度数を高めたもの。焼酎、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどが該当する。

混成酒 醸造酒や蒸留酒に果物や糖分を添加したもの。梅酒やペパーミント、ベルモットなどが該当する。

                           

酒類販売免許

酒類販売免許は、卸免許小売業販売免許とがある。

お酒を販売するには、「税務署」に申請書を提出し約2か月間に及ぶ審査を受けて販売免許を取得する。製造免許と同様に所轄税務署長の免許を受けないといけないのである。

なお、コロナで話題の飲食店がお酒を販売する場合は、税務署への申請は必要ない。食品衛生法の飲食店営業許可の範囲となる。

また、申請さえすれば誰でも販売免許の交付を受けれる訳ではなく、小売・卸売ともに要件がある。

・酒類小売業免許

お酒の業界で3年以上の実務経験または酒類販売管理者研修の受講修了者。

・酒類卸売業免許

お酒の製造や販売の業務(薬用酒の販売を除く)に引き続き10年以上従事または経営者として引き続き5年以上従事など。

                         

酒税の税率

酒税の税率はかなり複雑である。

概要を以下に示す。

区分税率
(1㎘当たり)
アルコール分
1度当たりの加算額
発泡性酒類220,000円
発泡酒
麦芽比率25~50%未満
178,125円
発泡酒
麦芽比率25%未満
134,250円
その他発泡酒類
ホップ等を原料としたもの除く
80,000円
発泡性酒類とは、ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類(ビール及び発泡酒以外でアルコール分10度未満で発泡性を有するもの)
区分税率
1㎘当たり
アルコール分
1度当たりの加算額
醸造酒類140,000円
清酒120,000円
果実酒80,000円
醸造酒類とは、清酒、果実酒、その他の醸造酒(その他の発泡性酒類を除く)
区分税率
1㎘当たり
アルコール分
1度当たりの加算額
蒸留酒類アルコール分20度
200,000円
10,000円
ウイスキー
ブランデー
スピリッツ
アルコール分37度
370,000円
10,000円
蒸留酒類とは、連続式蒸留焼酎、単式蒸留焼酎、ウイスキー、ブランデー、原料用アルコール、スピリッツ(その他発泡性酒類を除く)
区分税率
1㎘当たり
アルコール分
1度当たりの加算額
混成酒類アルコール分20度
220,000円
11,000円
合成清酒100,000円
みりん
雑酒(みりん類似)
20,000円
甘味果実酒
リキュール
アルコール分12度
120,000円
10,000円
粉末酒390,000円
混成酒類とは、合成清酒、みりん、甘味果実酒、リキュール、粉末酒、雑酒(その他発泡性酒類を除く)

                          

後記

とりあえず、私は税金は関係なく、プレミアモルツの香るエールが一番好きである。

作成者: advance

豊洲市場の水産荷受会社(セリ販売する会社)に勤務してます。
勤務時間が夜中から昼までです。
夜の活動は自粛?して、午後の早い時間帯に勉強に励み、税理士試験に合格しました。

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