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会社法

~会社法~機関

会社というのはフィクションの存在だ。

本社ビルや工場は会社の資産であって会社そのものではない。

人気商品も棚卸資産にすぎない。

会社は実体の無い「虚構の存在」といえるだろう。

その実体の無い会社に法律上の人格である法人格を与えられると、権利の主体になることができる。

契約や訴訟の当事者になれ、住居の賃貸契約もできるのである。

権利の主体になれるといっても、会社そのものには実体が無いから、自ら契約などの手続きはできない。

そういったわけで、会社の代わりに手続きする人が必要になってくる。

こういう人を会社の「機関」といい、機関の行為が会社の行為となるのである。

                

| 機関の設置

会社の運営には機関が必要である。

会社にどのような機関を設置するかは定款に法律の範囲内で決めないといけない

                 

・ 持分会社

社員が機関の役割を果たす。ここで社員というのは株式会社における役員みたいなものだ。

社員全員に会社の代表権と業務執行権があるが、特定の代表社員や業務執行社員を決めることもできる。

社員どうしが横並びか少し格差があるかの違いかな。

・ 株式会社

株式会社では法律に基づいて機関を設置する。

ここでは株主総会と取締役は必ず設置しないといけない。

ちなみに資本金が5億円以上または負債総額200億円以上ある会社を「大会社」という。

大会社は会計監査人の選任が義務となっている。

客観的に経営をチェックする人が必要になるわけだ。

さらに大会社が「公開会社」(株式の譲渡に制限の無い会社。上場会社と似てるけど非上場でも公開会社の場合あり)だと、監査役会、指名委員会等、監査等委員会いずれかを設置しないといけない。

ここでいう監査とは株主に変わって経営をチェックすることだ。独立性が重要な機関といえる。

             

| 株式会社の機関

株式会社に必ず必要なのが「株主総会」と「取締役」である。

株主総会・・会社の所有者である株主の集まりで、年に1回は必ず行われる会社の最高の意思決定機関

取締役・・会社の経営をする人で株主総会で選ばれる。

               

株主総会で話される内容は2つある。

会社の業績(貸借対照表や損益計算書など)を株主に報告する「報告事項」と、機関の選任や解任・役員報酬総額・会社の組織変更・定款変更など株主の利害に関する事項の「決議・承認事項」である。

株主総会は、1年に1回開催される「定時株主総会」と、必要に応じて開催される「臨時株主総会」とがある。

株主総会は会社の最高機関なので、そこで決定されたことは強力な拘束力がある。

              

取締役は会社の経営をする人だが、株式会社は最低1人は取締役を置かないといけない。

しかし「公開会社」は取締役は3人以上必要で、かつ、取締役会を設置しないといけない。

取締役会において、取締役たちが会社の重要なことを決定していく。

取締役会で話し合われることは2つある。

1つ目は「決議・承認事項」である。

新株の発行や多額の借り入れ等の重要事項を取締役たちで話し合って決議・承認していく。

2つ目は「取締役の職務執行についての報告」である。

仕事の進捗状況について報告していくわけだ。

取締役会は会社の偉い人が一堂に会するイメージである。

超人界の偉い人たち

             

取締役のなかでも特別な存在が「代表取締役」である。

会社の機関として取締役会からも独立しており、会社の対外的な業務のすべてを行う権限を持っている。

代表取締役は取締役会で、取締役のなかから選ばれる。

代表取締役は、会社の法人格としての行為を会社に代わって行う代表権と、株主総会や取締役会で決まったことを実行する業務執行権をもつ。

代表取締役が会社のためにしたことは、すべて会社の行為とみなされるのである。

               

| 他の機関

株式会社の機関は全部で11種類あるが、「株主総会」「取締役」「取締役会」「代表取締役」の他に、「委員会」「執行役」「代表執行役」「会計参与」「監査役」「監査役会」そして外部からくる「会計監査人」がある。

非常に大雑把にとらえると、業務を遂行する係とそれをチェックする係とに分かれてる感じだ。

また会社の規模に応じてどの機関を置くか変わってくる。

               

| 社長とは何か

ここまできて1つの疑問が湧いてくる。

「社長」の2文字が出てこないのだ。

実は法律上の書類では「社長」の肩書は何の意味も無いのである。

法律上の最高責任者は「代表取締役」であり、「社長」というのは職責上で実務のトップにいる人のことなのだ。

「代表取締役社長」になると法律でも職責でも会社のトップだが、「代表取締役会長」と「社長」がいる場合は前者が法律上のトップになってしまう。

「社長」は商習慣上の会社の最高責任者の呼称なのである。会社法で定められた役職ではなかったのである。

                

| 終わりに

キン肉マンの完璧超人始祖の画像を出したので、彼らで取締役会を構成してみようと思う。(独断と偏見です)

 株式会社「完璧」

 代表取締役 ザ・マン

執行役 ミラージュマン、アビスマン、シンクマン

代表執行役 ガンマン

会計参与 カラスマン

指名委員会 シルバーマン

報酬委員会 サイコマン

監査委員会 ペインマン

監査役 ゴールドマン

会計監査人 ジャスティスマン

作成者: advance

豊洲市場の水産荷受会社(セリ販売する会社)に勤務してます。
勤務時間が夜中から昼までです。
夜の活動は自粛?して、午後の早い時間帯に勉強に励み、税理士試験に合格しました。

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