「同情するなら金をくれ!」とは、4半世紀前に放映されたドラマ「家なき子」の主人公相沢すずの名セリフである。
世の中お金がすべて、とは言わないが、この「資本主義の現代社会」では、やはりお金は命の次に大事なものであるといえるだろう。
そして個人であれ会社であれ、お金が無いと事業活動はできない。
今回は会社にとって非常に重要なこと、新たにお金を調達する「資金調達」について観てみよう。
| 間接金融と直接金融
「金融」とはよく目にする単語だが、そもそも「金融」とは何なんだろうか。
それは、お金の余っている人がお金の不足している人にお金の融通をすること、をいうのである。
お金を融通、略して「金融」なのである。
金融機関とは、お金を融通する事業者というわけだ。
会社がお金の融通をしてもらう場合、すなわち資金調達する場合、2つの方法がある。
間接金融と直接金融の2種類だ。
* 間接金融
間接金融とは、資金を提供してくれる人から直接ではなく、銀行などの金融機関から間接的に資金を集めることをいう。
借りたお金なので当然返済をしないといけない。
返済義務のある「他人資本」とされる。
横文字を使用すると、金銭の借入れでの資金調達はデッドファイナンスという。
* 直接金融
直接金融とは、株式や社債を発行し、金融市場を通じて直接的にお金を集めることをいう。
株式を発行することを新株発行といい、借金ではないので返済義務がない。
返済義務がない「自己資本」とされる。
こちらも横文字で、企業が株式発行により事業に必要な資金を調達するエクイティファイナンスという。
新株発行は3種類ある。
①「株主割当」 既存の株主に新株を割り当てる。
②「第三者割当」 特定の関係者にだけ割り当てる。既存株主の一部にだけ割り当てても第三者割当に相当する。
③「公募」 広く一般から募集すること。
なお株式の取得については、他の株主から株式を取得することを購入とし、株式発行会社より取得することを払込という。
社債は、会社が一般大衆から広く借金することで、会社を債務者とする金銭債権のことである。
社債を購入した人は、出資したお金を一定の期間後に返してもらえる権利をもつ。
株式発行に代えて、わざわざ社債を発行するのは、株主のような議決権がないからである。
いつか返さないといけない借金だけど経営に口出しされないメリットがある。
ここでまとめると・・・
株式発行・・お金は返さなくてイイけど、経営に口出しされる。
社債・・お金は返さなきゃいけないけど、経営に口出しされない。
| 終わりに・・
今回は企業の資金調達についてみてみた。
会社法は税理士試験の受験科目ではないが(財務諸表論に一部出てくるけど)、これを知らないと法人税などは分かりづらい箇所も出てくる。
知ってて損はないし理解出来たら楽しいと思う。
「資金繰り」は会社にとって非常に重要で、これが滞ると、人間に例えるならば血液の流れが悪くなるようなものだと思う。
会社・・金が足りない~
人間・・血が足りない~