住民税と聞いて何を思い出すか。
やはり「ふるさと納税」こと寄附金税額控除だと思う。
おらが町に寄附をすると、特産品が返礼としてもらえるとともに税金も戻ってくるという制度である。
今回は「ふるさと納税」をみてみよう。
| ふるさと納税のシステム
都道府県・市区町村への寄附金のうち、2,000円を超える部分については、ある限度額まで個人住民税と所得税から全額が控除される。
都道府県・市区町村は寄附金に対する返礼として、寄付額の3割~5割程度の地域の特産品を送る。
この「税額控除」と「返礼」のダブル効果で「ふるさと納税」は爆発的に普及した。
2008年の開始年と2018年の寄付金額を比較をすると、
2008年(寄附年) 7,259,958,000円
2018年(寄附年) 512,706,339,000円
であり、実に10年ちょっとで寄附は約70倍に膨れ上がった。
平成時代後期のメガヒットといえそうだ。
| 計算方法
寄附金税額控除は「税額控除」なので、税額からダイレクトに控除される。
参考までに住民税における税額控除は以下のとおりだ。
・調整控除
・配当控除
・住宅借入金等特別税額控除(所得税で控除できなかった分)
・寄附金税額控除
・外国税額控除
・配当割額または株式等譲渡所得割額の控除(二重課税の排除のため)
都道府県・市区町村のような地方公共団体に対する寄付金は、理論上、2,000円を超える部分の全額が、住民税と所得税で控除される。
寄附金自体については、寄附すれば全てが税額控除の対象となるわけではなく、前年の課税標準の合計額の30%相当額が限度となっている。
寄附金税額控除は次の算式で確定する。
基礎控除額+特例控除額=控除額
①基礎控除額
寄附金の額と課税標準の合計額30%相当額といずれか小さい金額から2,000円を控除した額に住民税率10%(道府県民税4%市町村民税6%)を乗じたもの。
②特例控除額
ふるさと納税のみに適用される。
他の寄付金は基礎控除額のみということだ。
㋑(寄附金額-2,000円)×(100%-10%-寄附者に適用される所得税の限界税率 復興特別所得税を含む率)
㋺ 調整控除を適用したあとの所得割額×20%
㋑と㋺といずれか少ない額(要するに20%限度ということ)
特例控除の計算で出てくる10%は、基礎控除で乗じた10%のことである。
①と②を足したものが寄附金税額控である。
この控除を受けるためには確定申告が必要なわけだが、サラリーマンについては自治体への申請書提出を要件として、申告不要で寄附金税額控除を受けれる「ふるさと納税ワンストップ特例制度」なるものもある。
| ランキング
2019年に寄附金を多く集めた自治体を観てみよう。
⒈ 大阪府 泉佐野市 49,753百万円
⒉ 静岡県 小山町 25,063百万円
⒊ 和歌山県 高野町 19,637百万円
⒋ 佐賀県 みやき町 16,834百万円
⒌ 宮崎県 都農町 9,627百万円
⒍ 宮崎県 都城市 9,562百万円
⒎ 大阪府 熊取町 7,640百万円
⒏ 茨城県 境町 6,083百万円
⒐ 北海道 森町 5,909百万円
⒑ 佐賀県 上峯町 5,318百万円
以下、20位まで観ても圧倒的に西日本が多い。
寄附をただ待つのではなく、返礼品でアピールするなどしてたのかな?
| まとめ
私はまだ「ふるさと納税」をしたことがない。
生まれたわけではないが、幼少期から住んでいたのは神奈川県の相模原市だ。
やるならそこしかないと思う。
一応、寄付金額に応じた返礼品はチェックすると思う。
個人的な考えだが、「愛国」や「郷土愛」というのは「無償の愛」に近い考え方だと思っている。
おらが町には無償で寄附したいが、やっぱり見返りも欲しくなるのが人情だね。