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所得税

~所得税法~住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除)

私はyoutube動画をよく観る。

最近観たなかで一番インパクトがあったのが、「はりーの仕事塾」という動画の住宅ローンの闇というヤツだ。

住宅ローンの裏側について解説してくれてる秀逸な動画である。

私は東京都中央区築地在住で江東区の豊洲市場勤務なのだが、東京オリンピックの影響?なのか、この界隈には新築マンションがたくさんできている。

私はいい年した中年独身男の借家住まいなので、住宅ローンとは縁が無い。

だから住宅ローンなんて他人事以外の何物でもないのだが、新築マンション在住と思しき子供たちを見かけると、この少年少女たちの家庭の金銭事情が無事であってほしいなと心から思う。

子供こそ「未来」だからだ。

               

さて今回は住宅ローンといえば、住宅ローン控除こと「住宅借入金等特別税額控除」について語る。

住宅ローン控除は所得税法本法ではなく時限立法「租税特別措置法」の規定である。

「租税特別措置法」は国税に関する特例を定めた法律なのだが、なんのために存在するのかというと、企業の研究開発や設備投資の促進環境保全地域振興などを税金面でサポートするためである。

すなわち「経済政策目的」のための法律である。

内容は、減税や課税の繰延べ(先送り)に関するものが多い。

住宅ローン控除も減税の特例である。

   

会社員は毎月の給与支払いの際の源泉徴収と年末調整で「確定申告不要」が実現できる。

年末調整は、1年間徴収された所得税等について、会社などの給与支払者が12月の最終支払日に再計算し、過不足があった場合は清算する制度である。

例えば、年の途中で家族構成が変わった場合とか毎月払う生命保険料などが所得控除の対象となるが、それを含めて税額を再計算するのである。

住宅ローン控除も年末調整の対象である。(2年目以降)

                  

| そもそも住宅ローン控除とは

個人が住宅ローンを利用して、マイホームを新築取得増改築等をして、令和3年12月31日までに自分で住む場合には、居住年の12月31日現在の住宅ローン残高を基礎として計算した金額を、所得税額から直接控除できる税額控除」を受けられる制度である。(所得税額より控除しきれないときは、住民税から控除される)

税額控除は、税金額から直接控除できるので所得控除よりも減額効果が大きいのが特徴である。

年末のローン残高の1%(40万円限度)が、その年の税額より控除できる。

                 

| 対象となる住宅

まずは自分が住む住宅であること、場所が日本国内、取得日から6月以内に実際に住んでいることが一番の条件である。

そして住居そのものの条件は

新築一戸建て、新築マンションで床面積50平方メートル以上であること。

中古住宅でも適用できる場合があって、耐火建築物は築25年以内、耐火建築物以外は築20年以内であること、耐火レベルが決められた基準を満たしていることも条件である。

工事費用が100万円を超える増改築等(リフォームなど)も対象である。

                   

| 住宅ローン

住宅ローンにも条件がある。

返済期間が10年以上で分割返済であるもの。

借入先が金融機関、住宅金融支援機構、公務員共済組合、信用組合、農協、地方公共団体などからの借入金であること。

                  

| 適用できる個人

控除を受ける年の「合計所得金額」が3,000万円以下であることである。

合計所得金額とは簡単にいうと、損失の繰越控除適用前各種所得の合計額である。

これが年間3,000万円以下なのだから、ほとんどの普通の人が該当するわけだ。

                   

| 誰のための規定か

住宅ローン控除は、当たり前の話なのだが、10年以上のローンを組まないと、適用することができない。

ローンを販売するのは都市銀行を筆頭とする金融機関である。

住宅ローン控除は、「持ち家政策の促進」と「住宅投資を通じて内需拡大」を目的として設けられた制度である。

これの言わんとすることは、ローンを組まないと家を買えない人のために(たいていの人が相当)、ローンを組んでもマイホームを購入する動機付けにし、ローン付き住宅の販売により住宅販売会社や金融機関の売上拡大を目指し、経済を活性化させるといったとこだろうか。

                  

住宅ローンのある人が、年間の税金が安くなるのは「課税の公平」の観点からみると問題がありそうだが、ローンを組んで家を買うとこんなイイことがあるよっという「エサ」にはなりそうである。

そもそも租税特別措置法は「経済政策目的」の実現のために設けられた法律で、住宅ローン控除もその中の1つなのだが、所得税税収の一部を犠牲にしても達成したい何かがあると考えるのが妥当だと思う。

それは国民のためではなく、住宅販売会社や金融機関の売上を税制面からサポートして経済活動を活性化させるということなのだろう。

政府の目標の1つであるGDPの増大にも寄与するのだろうね。

                  

住宅ローン控除は、国民にマイホームを購入してもらって幸せになってほしいなんて酔狂な目的で設けられたものではない、ということは確かだと思う。

作成者: advance

豊洲市場の水産荷受会社(セリ販売する会社)に勤務してます。
勤務時間が夜中から昼までです。
夜の活動は自粛?して、午後の早い時間帯に勉強に励み、税理士試験に合格しました。

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