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情報処理

プロジェクトマネジメント (その3)

10月の応用情報技術者試験に向けて、ゆる~く勉強中ではあるが、万が一合格できたらその次を考えないといけない。

ステップアップとして、応用情報試験の各論点を深掘りした、データベーススペシャリスト試験やプロジェクトマネージャー試験などがある。

プロジェクトマネージャー試験を勉強しても、プロジェクトマネージャーになるわけじゃないが、何かの仕事を進める上では役に立ちそうである。

ただしやはり応用情報に合格するのが先決であろう。

                        

プロジェクト人的資源マネジメント

プロジェクトを遂行するのは「人」である。

人的資源を確保し、育成し、管理することはプロジェクトを成功させるための大きな要件となる。

プロジェクトチームの管理をプロジェクト人的資源マネジメントという。

                           

責任分担マトリックス(RAM:Responsibility Assignment Matrix)

プロジェクトで必要な作業とメンバーの関係を整理した表を責任分担マトリックス(RAM)という。

具体的なアクティビティごとに、誰がどのような役割や責任を果たすか、を表にまとめたものである。

責任については以下のような分類をすることもある。

実行責任(Responsible) 実際の作業を行って成果物作成。

説明責任(Accountable) 作業計画や進捗・品質の管理を行い、作業結果に責任をもつ。

相談対応(Consult) 作業へのアドバイスや支援を行う。

情報提供(Inform) 作業結果や進捗状況などに関する情報提供を受け共用する。

                        

プロジェクトを進める上で、メンバーが一つの場所に集まって作業を行うことをコロケーションという。

これは我々が最初に思いつくやり方である。

ただし昨今のコロナ騒動で出勤しない在宅勤務が増えてきている。

Zoomや電子メールなどのコミュニケーションツールなどを活用して、メンバーどうしが離れていても共同作業を行うことをバーチャルルームという。

                      

プロジェクトを遂行する上ではメンバーどうしの意見の相違などのコンフリクト(衝突・対立)が起こる場合がある。

対立がエスカレートすると人間関係が悪化しプロジェクトの阻害要因となる。(適度な意見の相違はプロジェクトをよりよくするかもだが)

過去の経緯や人間性などにとらわれず、現在の課題に焦点を当てて解決を図る必要がある。

これをコンフリクトマネジメントという。

                      

プロジェクトコミュニケーションマネジメント

プロジェクトチーム内での情報共有を円滑にしたり、ステークホルダに必要な情報を過不足なく提供することなど、情報の伝達の管理のことである。

情報の伝達の管理では、情報の過剰提供は行わないことが重要である。

コミュニケーションの複雑さを測る指標に、コミュニケーションチャンネル数がある。

Nグループのステークホルダが存在する場合には、コミュニケーションチャンネルの総数は、N(N-1)/2で計算される。

4人なら、4(4-1)/2=6となる。

                           

プロジェクトリスクマネジメント

プロジェクトリスクの管理である。

プロジェクトリスクとは、それが現実化することにより、プロジェクトの目標にプラスまたはマイナスの影響を与える事象のことである。

リスクには次の2種類が挙げられる。

・好機(Opportunity) プラスのリスク

・脅威(Threat) マイナスのリスク

リスクというと危険なイメージだが、プラスのリスクもある。これは逃すとマズいということでリスクと思われる。

                         

 リスクの識別

プロジェクトにどんなリスクが潜在するか洗い出さないといけない。

このための手法として以下の方法がある。

① インタビュー

② 根本原因分析

③ チェックリスト分析

④ デルファイ法 複数の専門家に質問を送り、その結果をフィードバックするという作業を繰り返して意見を収束させていく。

⑤ ブレーンストーミング ルールに基づいた自由な意見や考えの出し合いにより、自由に発送させる。

特定されたリスクはリスク登録簿に文書化していく。

                        

 定性的リスク分析

リスクを性質の側面から分析(定性的分析)し、りすくの発生確率と影響度を何段階かに分析して評価し優先度をつける。

マトリックス内の数値は、影響度✖️発生確率により算出され、この値が大きいほど優先的に対応すべきリスクと判断できる。

 定量的リスク分析

定性的リスク分析で高い優先順位がつけられたリスクに対して、量的な側面から分析(定量的分析)を行い、数値によるリスクの等級付けを行う。

このための技法として、デシジョンツリー分析が挙げられる。

デシジョンツリー分析では、プロジェクトにおいて行われる選択(デシジョン)がプロジェクトにどんな見返りを与えるかを分析する。

上図の例だと、ゲームアプリの開発が一番有利ということになる。

ヒットした場合の1,050万円+ヒットしない場合650万円=1,800万円。これから開発費を差し引いて1,700万円。

同じ要領で他の選択肢と比較してみるとゲーム開発が好ましいと判断できるのだ。

ヒットする&ヒットしないの合計値で判断する。

                        

リスク対応

プロジェクト目標に対する好機を増大し、脅威を減少させるための選択肢を立案することである。

リスクの種類戦略内容
脅威回避脅威が現実化しないよう主要な要因を除去する。
スケジュールの延長やスコープの縮小など。
転嫁リスクの影響を第三者に移転。
情報化保険など
軽減発生確率や影響度を受容可能な程度にする。
より多くのテスト実施
好機活用好機が確実に起きるよう不確実要素除去。
より能力の高い要員の確保
共有好機を第三者と共有
ジョイントベンチャー
強化リスク主要要因を最大化し発生確率増加。
重要な作業に多くの追加要員投入
脅威/好機受容特に対応せずリスクを受け入れる。
コンティンジェンシー予備を設ける
コンティンジェンシー予備とは、特定されたリスクが顕在化した場合に対処するための資金や時間のこと。

                         

プロジェクト調達マネジメント

プロジェクト達成のための外部からの調達の管理のことである。

いつ、何を、どのように購入するかを計画し、契約を結んで実際に購入し、プロジェクトの終結による契約終了までを管理することを目指すのである。

調達マネジメント計画プロセスにおいたは、調達する資源を明確にしたうえで調達方式を決定する。

提案依頼書(RFP:Request For Proposal)を作成して納入候補となる企業に提示する。

提示された提案書の評価方法としては以下のものがある。

・重みづけ法

項目の重要度をもとに重みづけし、得点×重みの総計を提案書の得点とする。

・スクリーニング

いくつかの評価基準に下限値を設け、下限値を下回った納入者候補をふるい落とす。

・査定見積り

プロジェクト自身で見積りを作成し、提案の見積り値と比較する。

                      

提案書の採用が決まったら契約を締結するのだが、契約の形態としては次のようなものがある。

業務を委託する契約

・請負契約

完成責任を伴う

・準委任契約

発生した作業の分だけ費用を支払う。完成責任は無い。

・派遣契約

労働者を派遣してもらい、購入者の指揮命令のもとで作業実施。

支払金額による契約形態

・定額契約

契約締結時に支払金額決定。リスクが大きい。

・実費償還契約

実際に要したコストに納入者側の利益を加算。

・タイムアンドマテリアル契約

作業に対する時間単価を定め、要した時間に単価を乗じた額を支払う契約。総額の見積りがしにくい。

                      

終わりに

ざっと3回に分けてプロジェクトマネジメントを概観してみた。

これからジョブ型雇用が主流になると言われてるが、それに伴い仕事もルーティンワークはAIにとって代わられて、ヒトがやる仕事は各々の特技を生かして個々のプロジェクトに参画していく、というやり方に変わっていくのではないかと想像している。

そういった意味では、プロジェクトマネジメントを学ぶのは、単にシステム開発だけでなく、すべての業種に通じるものがあるのではないだろうか。

作成者: advance

豊洲市場の水産荷受会社(セリ販売する会社)に勤務してます。
勤務時間が夜中から昼までです。
夜の活動は自粛?して、午後の早い時間帯に勉強に励み、税理士試験に合格しました。

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